2009年8月31日月曜日

さらば、夏の日 2009 <ライネケ>

<長かった夏の日の思い出>

真夏のある夜、我家の屋上から、隣町の花火大会を見る。

色が変わり、落ちて行く。高度どのくらいで爆発するのか? 真下で見ているとどんな風なのか? 上がったあとは、真っ暗の闇が残る。

今年の夏もいろいろあった。
学園の中四国部懇談会のため、ネコパコ事務長と東京より帰省して来たShigeと三人で、高松に行って来た。高松港近くの岸壁より高松港の沖合を望むと、ディンギーが沢山いる。多分、ヨット教室かなにかの講習だろう。

午後の集まりでは、Shigeも発言した。長い間、学園入学後の彼の真情を彼の口から聞くことはなかった。初めて少し聞けた。さっぱりと明るい口調だった。
あの年頃、不特定多数の人々を前にして、ライネケはどのくらい、語ることができただろう。物怖じせず、堂々と。

西条の嶢風庵(ぎょうふうあん)に行った。これは、旧西条藩の家老職の後裔の屋敷を美術商品展示と販売とちょっとした料亭としたもので、その日、ゆかたを着ていけば、特製手ぬぐいを呉れるというので、わざわざ三人揃って、はるばる西条まで出かけたのだった。Shige君、もっと上を向いてくれ。

とうとう、夏が終わり、Shigeが東京に引き上げる日がやって来た。ささやかながら、ちょっと豪華な夕食は手巻き寿司だった。

JR松山駅前、午後8時40分発。間に合うには、あと、20分くらいしかないけど。食後のコーヒーを飲んで行こうか。
Shigeの分のコーヒーもいれよう。ミルクを入れ過ぎると、コーヒー牛乳になっちゃうぞ、と言ったのに・・・。そろそろ、経験に学べよ。


彼は高速バスに乗って帰って行った。ホットドッグ株式会社のキラキラ号だと。
えらく派手なバスだな。心なしか、今年の夏、彼の顔が、今までで一番明るい。髪の毛も、ネコパコに刈ってもらってさっぱりしてるしね。「髪の毛を刈ってもらう」って、英語でなんていうんだ?なんて、くだらないことを聞くのはよそう。元気であればそれでいいか。

午後8時40分、彼を乗せた真っ赤にお星様だらけの高速バスが発車した。彼が去った。


ネコパコと二人、帰宅してみると、空になった3客のコーヒーカップが残っていた。

「コーヒーはね、飲んで行って、最後に砂糖が甘いのがうまいんだ。だから、適当にかき混ぜたら、ゆっくり飲むもんだ。」
父親ともあろうものが、こんなどうでもいいようなことしか教えることがないのか。

一番沢山、砂糖を入れるのは、ライネケだな。カップの底に砂糖が残っている。残るものに何かを感じるのは何故なのか。

今夜、末っ子のShigeが、夏休みの長いぐたぐた生活を終えて、また、東京に帰って行った。我々両親は、何度、心細い思いで、こうして高速バスを見送ったことか。彼はたくましく、強くなっているか、成長しているか。そもそも、我々にそう問いかけ、要求する資格はあるのか。

彼には彼の悩みがあり、問題がある。それを乗り越えるのは、彼自身の力によるしかない。
「おのれを洲として、犀の角のごとく、独り、歩め。」

彼がいなくなって、なんだか、家の中が暗くなった気がする、とつぶやいたのは、ネコパコ事務長だったのかな?それとも、空耳?

Shige君、一ヶ月間以上も、家の中を照らしてくれて、ありがとう。ただし、もっと明るく照らしてくれたら、もう一つ、良かった。

夏休みも終わった。





2009年8月22日土曜日

徒然雑草  chica

今日、出勤したら、
福之進はもう違う国に行ってしまった後でした。

命あるものは全て、いつか死んでしまうから
生きている時間をどれだけ幸せに過ごすかが
大事なんだと思う事にしているのですが、
福之進は、狭い瓶の中で寂しく死なずに
少しだけだったけど福之進として生きたから

関わった私は幸せだったと思いました。

福之進がどう思ったか、それは彼自身のお話。

私に関わる全ての人が
幸せだといいね。

福之進ありがとう。ばいばい。またね。

                    chica

2009年8月18日火曜日

徒然雑草  Chica

福之進お引越し完了。

現時点で、汽水魚なのか淡水魚なのか不明の福之進。
飼い主は強引に淡水に住ませることにした。

だって人工海水作るの調べたら、めっちゃ手間かかるんだもん。
バーゲンの20%オフとかもよく計算出来ないのに
比重計とか使って海水なんか作れる訳ないさ!
一応カルキ抜きした水にえいやっ!と引っ越していただいた訳ですが
まあ、問題ないみたいよ。
出たいとか言わないし。
(そもそも聞こえないけど・・・・)
飼い主の私も随分引越しを繰り返したが、
人間以上に引越しが手間取る福之進さんなので
あんまり新居に不平不満は述べて欲しくないものである。
福之進よ。住めば都って言うぞ。例え汽水が好きでも淡水にしなさい。
塩分の取りすぎは良くないって話だし。
                          chica

2009年8月17日月曜日

徒然雑草  Chica

物を拾うのは嫌いではない。

海岸の貝殻、ビーチグラス。→ 未だに捨てられない。
木陰のドングリ、不思議な形の葉っぱ。→ 職業に変換中。
電信柱の影にあったスノコ2枚。→ 本棚に活用。
道に転がっていた紹興酒のでかい壷2個。→ 趣のある花器になった。
用水路の中から18金のネックレス。→ 警察に届けた。
風に舞っていた3万円。→ 友達と豪遊した。
住んでいるマンションのゴミ置き場から体重計、掃除機。→ 立派に働いておる。
古紙回収に出されていた古本数冊。→ しっかり読んだ。
ぼそぼそに汚れた子猫。→ 広島の可愛い女の子の所へ行った。

しかし、
河豚は初めてだ。

正確には私が拾った訳ではない。

職場の玄関の脇に放置されていたのを
一番に出勤した人が発見したのだ。
それを「はい、こんなものが居たよ。」と手渡されてしまった。
「かわいそうに。酷い事もあるもんだ。」と思わず受け取ってしまった。

ミドリフグもしくは淡水フグらしい。
どちらにしてもフグは河豚だ。
魚だ。
体長2cm。
てっちりにもならない。
最近は街のゲームセンターでゲーム(UFOキャッチャーなど)の景品に
小さな瓶に詰められた生き物が並んでいるらしい。
遊びで獲得した生き物をやっぱり飼えないからと
生き物に関係のある私の職場の玄関に放置していった輩がいたのだろう。

名前は福之進。
ふぐのふくのしん。
福を運んで進むがいい。

いつまで生きるか分からんが、
とりあえず面倒を見る決心を固めた。

このブログを見る全ての人に。

街のUFOキャッチャーで生き物を景品にしているのを見かけたら
「経営者は瓶に詰められて茹でられろ。」と
少しでいいから願って下さい。

          chica