2015年4月6日月曜日

「紅雨のごとし」  <ライネケ>

日曜日は雨模様だったんだが、ライネケとネコパコは、相も変わらぬお気楽ドライブに出かけた。ごろっちはいい子で留守番するのだぞ、と言い聞かせてね。

まず、伊予市のはずれから山道を、梅で有名な七折を抜けて、砥部に至り、広田村、小田町、大瀬村で、昼食の弁当を食べた。
大瀬村の川を見ながら、車の中で午睡のひとときの後、内子に出て、大洲から、八幡浜に向かい、伊方のさらに佐田岬のはずれにある亀ヶ池温泉へ。入湯の後、温泉のレストランで夕食をとり、帰途につく。保内を経て、夕暮れ迫る海沿いの道を走って、長浜、双海、伊予市を抜けて、松前に帰った。

伊予市から砥部の七折の風景

山あいの村に春が来て
白いのや

赤い花が咲き誇る

「花に嵐のたとえもあるぞ」
とは よく言ったもので
きまって雨が降るのは
不思議なくらい


砥部の「衝上断層」で
乱れ落ちて 紅雨のごとし
とは
唐土の詩人が桃の花を歌ったものだが


本邦では
もちろん さくら


花は 
飛んで 飛んで
天に満ちて
やがて
地に落ち 散り敷く
紅雨とはよく言ったものだ

何が悲しゅうて
一株の木に
白い花と赤い花が混じって
咲くのか


砥部から広田村に向かう「陶街道」の入口付近

あれは ヤマツツジ

これは こぶし

亀ヶ池温泉の亀ヶ池で

佐田岬のはずれまで出かけて
凧ゲリラするネコパコ
つきあうおいらも物好きだ

ほんのひと時 見えた晴れ間に
桜の花びらが
はかなく うつくしく
映える

双海の海沿いの菜の花と桜の並木

わが生の春を 競い合い、謳歌している
と 見る人もいれば
どうせ 散っていくのに
どうして こんなに美しく咲くのか
と 神様に恨みごとをいう人も ある


うちに帰ってきた


また我が家にも
春が来た
冬の間 すっかり葉を落としていたツタも
地面から はるかに離れた
先々まで 緑の葉を出し始めた

裏の勝手口の木戸の蝶番の隙間から
這い伸びて来た蔓が
ライネケの指より太くなった
これから
どうしてやったらいいものか

屋上の水路に 板の覆いを掛けて
うっかり踏み外して もろくなったすねの骨を
折ったりしないように 踏段をつけた

車に押し倒されて
もう これまでか と
なんども思ったけど
ジューンベリーが
今年も花をつけた